今日の食材は蓮根(れんこん)です。 誰もが知っているこの食材は、お正月に食べたことがあると思います。 ...
蓮根には数個の穴が空いていることから、その穴から遠い未来が見える(見通す)という意味で、縁起物とされています。 見通しのある安心な未来を願って使われています。

また現在では、ハスは花を観賞用、根を食用として栽培されており、薬用として鑑真和上が中国より持参されたといわれていますが、ただ単に縁起がいいだけの食材なのでしょうか。
いいえ違います。
蓮根の主な栄養分は糖質(デンプン)で、体内でエネルギーとなり体を温めてくれます。 また、ビタミンCやミネラル成分が豊富に含まれており、疲労回復・美容効果・風邪予防・発がん物質の抑制などの効果も期待されています。 さらに、ビタミンB12・ビタミンB6なども含有されているため、鉄分の吸収を助け、貧血予防が期待出来たり、肝臓の働きを助けてくれたりします。 それ以外にも、便通を良くしてくれる不溶性の食物繊維が豊富で大腸がん・動脈硬化や高血圧予防効果が期待され、胃壁を保護したんぱく質や脂肪の消化を促進してくれる、ムチン、消炎や止血作用がある、タンニン、免疫細胞の働きを良くする、レクチンなどが含まれています。 また、東洋医学ではこう考えます。 レンコンは五行でいう脾・心・胃に入り、その働きを助けることが出来ます。 それにより、胸苦しさを除き、胃を開き、食滞を消し、酒毒および蟹毒を解し、産後の古血を散らす。また、疲れを取り、スタミナ増強、ノイローゼ防止、風邪予防等の効果があると考えます。 これは利尿作用と共に便通意を良くし、体内の老廃物や毒素を排泄するので、体内増強に役立ちます。 この食材は捨てるところがなく漢方薬では、蓮心、荷葉、荷梗、藕節、蓮子、蓮鬚、蓮房として使われています。 蓮心(れんしん)とはハスの果実中にある胚芽の事で、血圧降下や強心作用があるとされます。
荷葉(かよう)とはハスの葉の事で、清熱解毒剤、止血、下痢止めとして使用されます。
荷梗(かこう)とはハスの葉柄・花柄の事で、荷葉と同じは楢木があるとされています。
藕節(ぐうせつ)とはハスの根茎の節部の事で、伝統的な各種止血役として使用されています。
蓮子(れんし)とはハスの種子の事で、鎮静、精神安定を目的として使用されています。
蓮鬚(れんしゅ)とはハスの花蕊の事で、頻尿、遺尿、吐血などの改善に使用されています。 蓮
房(れんぼう)とはハスの果托の事で、下血、血尿、不正性器出血などの改善に使用されています。
(参考文献 : 今こそ必要!あなたの食養生と経絡養生 野崎康弘著) こ
のように、レンコンは西洋医学的にも東洋医学的にも健康な身体作りには欠かせないものとなっています。 11月~3月が旬であるレンコンを食し、日常の健康づくりにお役立ててみて下さい。