免疫の働き過ぎ、糖鎖が抑制 立教大など
2015年5月14日
病原体から体を守る自然免疫が過剰に働かないよう抑えるのに、糖鎖という物質が大きな役割を果たしていることを立教大などのチームが発見し、米科学アカデミー紀要に発表した。チームはこの糖鎖を作るのに必要な遺伝子も特定。さまざまな経路で免疫に影響を与えていることを解明し、千手観音にちなんで「senju」と名付けた。
糖鎖は細胞表面のたんぱく質などにつく分子。立教大の後藤聡教授(糖鎖生物学)らは、ショウジョウバエで「senju」を働かないようにすると、病原体に感染していないのに免疫が異常に活性化することを確かめた。逆に、過剰に働かせると、免疫反応が低下した。
自然免疫はさまざまな生物が生まれながらにもつ仕組みだ。後藤教授は「今後はヒトを含む脊椎(せきつい)動物でも調べたい。過剰な免疫反応による自己免疫疾患や慢性炎症の治療法への応用を期待したい」と話している。
(朝日新聞 2015年5月14日掲載)
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