6年前若い女性が一人、遅い時間に来院されました。
「毎月生理が無いのが嫌なんです。職場の同僚は毎月生理の話題をしていますが、私は一年に一度か二回しか生理が無いんです。なんとかして下さい!!!」
ん~
ん~
ん~
生理って毎月無くても良いんですよね。
排卵をしていれば。
月経周期が180日でも排卵してから生理がくるまでの高温期が12日以上あることが重要であって、周期が長いのは問題ないのです。だから結婚して赤ちゃんが欲しいと思った時にまたおいで。とお話しましたが、「でも嫌なんです」。。。
それから、未婚のかたの身体作りが始まりました。
一度婦人科にてホルモンの値だけでも調べてもらおうと思い紹介状を出し、検査してもらいましたら、FSHが高く、子宮が小さいとのことでした。
FSHが高いということは・・・
FSHには脳下垂体から卵巣(顆粒膜細胞)を刺激して卵巣での卵胞の成長を促す働きがあります。卵巣を刺激することで卵胞が育つのですが、卵胞の成長にともない脳下垂体からのFSHの刺激は少なくなるのです。しかし、FSHが高いということは、卵巣を刺激し続けているという見方が出来、そして卵巣内で卵胞が育っていない事が分かるのです。
子宮が小さいということは・・・
一般的に成人女性の子宮の大きさは鶏卵の大きさです。初潮を迎えた頃から子宮内膜の成長とともに生理を繰り返しながら子宮は成長をしていきます。しかし、初潮から5年ほどの間に生理がほとんど無い状態ですと子宮が成長できずに将来不妊や流産の原因となるのです。
将来出産できるのか?
検査結果から分かったことは、まだ成長段階かもしれないが今の段階では妊孕性は低いということ。現在結婚をしていないが今お付き合いしている彼と結婚して子どもをすぐに望んでいるとのこと。そのために今から出来ることは、子宮の成長のために生理があるということと、基礎体温を測りながら排卵出来るように準備することでした。
それから3年間、定期的ではないが時々生理があり、排卵をしていることを確認していました。
そして結婚、生殖補助医療による体外受精による治療が始まりました。
良かったのは薬に対して副作用が一切なかったということ、採卵・受精は二桁の実績でした。
2回目の移植時には2段階移植に挑戦
2段階移植
http://www.hanabusaclinic.com/about/treatment/advanced/seet/2段階胚移植は、受精させてから2-3日目の胚(初期胚)と5-6日目の胚(胚盤胞)を、同一の移植周期において時期をずらして、2段階に分けて移植する方法になります。1段階目の初期胚移植が、胚の伝達シグナルを子宮に届け、子宮をより着床しやすい状態へと促します。次に2段階目の胚盤胞移植で、着床しやすくなった子宮に胚を届ける方法となります。
もちろん双子ちゃんになる可能性はありますが、年齢的に問題ないと思いました。双子ちゃんになったら2人で頑張って子宮を大きくしてくれるよね~って話したことがあります。
そして初めて出会ってから6年目に双子の赤ちゃんを無事出産され、お母さんになりました♪