貧血の人は卵を卵を食べましょうと言いますが何故?
第6回生命の神秘にてお話頂く長尾周格先生の記事にこのような内容があります。
慢性的なタンパク質欠乏の人は、特に女性では鉄欠乏も伴っていて、鉄欠乏性貧血であることが多いです。こういう人に糖質制限の食事指導を行うと、エネルギー不足の症状が起こりやすいです。エネルギー不足改善のために脂質をしっかり摂るよう指導しても、鉄欠乏の人は脂質の吸収能力が低く、脂を摂ることが難しい場合があります。
というのも、脂質は十二指腸で胆汁により乳化され、吸収しやすい形となります。この胆汁にはビリルビンという成分があるのですが、ビリルビンの原料は古くなった赤血球から取り出したヘモグロビンであり、ヘモグロビンは鉄色素によって赤くなっていることから分かるように、活性中心に鉄を持ちます。鉄欠乏性貧血になると鉄色素が少なくなるのですが、それに伴ってビリルビンもまた、少なくなってしまいます。
鉄欠乏性貧血の人は胆汁が少なくなり、脂質の吸収が難しくなります。そこで利用すべきなのが、卵なのです。
卵の黄身には「レシチン」という物質が含まれていて、これが天然の乳化剤の働きをします。卵の黄身と油を混ぜてマヨネーズができるのは、このレシチンの働きによるものです。
ちなみに食品に含まれるレシチンには、卵黄のレシチンと大豆のレシチンが有名ですが、卵黄のレシチンのリン脂質はフォスファチジルコリンであり、大豆のそれはフォスファチジルセリンであって、体内での有用性は断然卵黄のレシチンの方が優れています。
というわけで脂を摂る際には一緒に卵(卵黄)を摂ると良いのですが、できればレシチンは加熱すると酸化しやすいので、生で食べるのがより良いです。しかし白身は生だとアビジンというタンパク質がビオチンというビタミンと結合して吸収を阻害するため、卵の白身は加熱して食べた方が良いです。
というわけで僕のお勧めする卵の食べ方は、半熟卵や、黄身が生の目玉焼きです。目玉焼きにベーコンやソーセージなどを付ければ、動物性脂質もしっかりと摂れて良いですね。我が家の朝食の定番でもあります。
動物性食品をしっかりと摂っていれば、タンパク質やビタミンB群、鉄、亜鉛なども徐々に満たされてきて、体を修復する材料があれば自然に体は良い状態になっていきます。卵にはレシチン以外にもタンパク質をはじめ、豊富なビタミンやミネラルもまた同時に摂れますから、非常に優れた食材なので積極的に食べていただきたいと思います。
魚の赤身と白身の違い
牛肉が赤い理由と関係しています。ミオグロビンとヘモグロビンの含有量が10mg/100g以上だと赤身と言うそうです。つまり筋肉量が多い回遊魚は赤身が多いのです。例えば・・・アジ・鯖・マグロ・カツオなど